資産形成を始める第一歩 証券口座の選び方・開設方法
資産形成を始める上で証券口座が必要な理由
資産形成や投資に関心を持ち始めたとき、最初に必要となるのが証券口座です。銀行の預金口座のように、株式や投資信託といった金融商品を管理するための「投資専用の口座」と考えていただくと分かりやすいかもしれません。
銀行預金だけでは、現在の低金利環境では資産を大きく増やすことは難しい現実があります。将来のインフレリスクに備えたり、より効率的に資産を増やしたりするためには、貯蓄に加えて投資を取り入れることが堅実な選択肢の一つとなります。そして、投資を行うためには、証券会社を通じて証券口座を開設する必要があるのです。
この口座を通じて、NISAやつみたてNISAといった税制優遇制度を活用した投資や、様々な投資信託の購入が可能になります。この記事では、証券口座の選び方から開設方法まで、資産形成の第一歩を踏み出すための具体的なステップを解説します。
証券口座の主な種類と選び方のポイント
証券口座と一口に言っても、いくつかの種類や、運営している会社によって特徴が異なります。主な違いとしては、大きく分けて「ネット証券」と「店舗型証券」があります。
- ネット証券: インターネットを通じて取引を完結させる証券会社です。
- メリット: 手数料が比較的安い傾向があります。取り扱い商品数が豊富で、様々な情報をウェブサイトやアプリで手軽に入手できます。24時間取引が可能な場合が多いです。
- デメリット: 対面での相談は基本的にできません。自分で情報収集し、判断する必要があります。
- 店舗型証券: 支店を持ち、担当者と対面で相談しながら取引できる証券会社です。
- メリット: 担当者に直接相談できる安心感があります。投資に関するアドバイスを受けやすいです。
- デメリット: ネット証券に比べて手数料が高い傾向があります。取引時間が限られている場合があります。
手取り20万円から堅実な資産形成を目指す場合、手数料の安さや手軽さから、ネット証券を選ぶ方が多い傾向にあります。少額からコツコツと積立投資を行う場合、手数料は運用成果に影響するため、重要な検討ポイントです。
証券口座を選ぶ際には、以下の点を比較検討することをおすすめします。
- 手数料: 取引ごとにかかる売買手数料や、投資信託の保有中にかかる信託報酬などを比較します。特に積立投資の場合は、購入手数料無料(ノーロード)の投資信託がおすすめです。
- 取り扱い商品: 投資したい商品(例: NISA対象商品、特定の投資信託、国内株、米国株など)が豊富に揃っているかを確認します。
- 取引ツールの使いやすさ: ウェブサイトやスマートフォンアプリの操作性が自分に合っているかを確認します。デモ画面などを試せる場合もあります。
- 情報提供やサポート: 投資に関する情報が充実しているか、問い合わせ方法(電話、メール、チャットなど)やサポート体制が整っているかを確認します。
証券口座開設の具体的なステップ
証券口座の開設は、以前に比べて非常に簡単になっています。多くのネット証券では、オンライン上で手続きが完結します。一般的な開設手順は以下の通りです。
- 開設したい証券会社を選ぶ: 前述の選び方を参考に、自分に合った証券会社を決めます。複数の会社を比較検討するのも良いでしょう。
- オンラインで申し込む: 証券会社のウェブサイトにアクセスし、「口座開設」ボタンなどから申し込み手続きを開始します。氏名、住所、生年月日などの基本情報を入力します。この際、同時にNISA口座やつみたて投資枠の開設を申し込める場合が多いです。
- 本人確認書類・マイナンバー確認書類を提出する: 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などの本人確認書類と、マイナンバーを確認できる書類(マイナンバーカード、通知カードなど)が必要です。多くの場合、スマートフォンで書類を撮影し、アップロードすることで提出が完了します。
- 開設審査と完了通知: 申し込み内容に基づき、証券会社で審査が行われます。審査が完了すると、口座番号や初回ログインパスワードなどが記載された「口座開設完了通知」が、郵送またはオンラインで届きます。
- 初期設定と入金: 通知に従って初回ログインを行い、パスワードの設定やお客様情報の追加登録といった初期設定を行います。設定が完了したら、指定された方法で証券口座に入金し、取引を始める準備が整います。
手続きに不備がなければ、申し込みから口座開設完了までは数日〜1週間程度で完了することが一般的です。
開設後の第一歩:少額からの積立投資を検討する
証券口座の開設が完了したら、いよいよ資産形成のスタートラインです。手取り20万円から無理なく始めるには、まずは少額から、毎月コツコツと積み立てていく投資方法が適しています。
- 毎月の積立額を決める: 手取り収入や生活費、緊急予備資金などを考慮し、無理のない範囲で積立に回せる金額を決めます。例えば、まずは月々1万円や5,000円といった少額から始めてみるのも良いでしょう。
- NISAやつみたて投資枠を活用する: 非課税で運用できるNISA制度は、特に初心者にとって非常にメリットが大きい制度です。積極的な活用を検討してください。
- 投資対象を選ぶ: 初心者には、国内外の株式や債券に分散投資する投資信託、特に市場全体の値動きに連動することを目指すインデックスファンドなどが、比較的リスクを抑えつつ堅実に資産を形成していく方法として推奨されることが多いです。
証券口座を開設することは、資産形成に向けた最初で最も重要なステップの一つです。焦らず、ご自身のペースで情報収集を進めながら、着実に資産形成に取り組んでいきましょう。