新NISA口座開設後の具体的な一歩 投資対象選びと積立設定の基本
新NISA口座を開設した後の最初の一歩
新NISA制度に関心を持ち、第一歩として証券会社で口座を開設された方は少なくないでしょう。しかし、口座を開設したものの、「次に何をすれば良いのか」「どのような商品を選べば良いのか」と立ち止まってしまうこともあるかもしれません。
この段階で大切なのは、焦らず、これまでの学びを活かして具体的な行動に移すことです。この記事では、新NISA口座開設後に取るべき最初のステップとして、堅実な資産形成に向けた投資対象の選び方と、積立設定の基本について解説します。
1. 投資の目的とリスク許容度の再確認
新NISAを始めるにあたり、最初に投資の目的や目標額、いつまでに達成したいかなどを考えたはずです。口座開設後の最初のステップとして、これらの目的をもう一度確認することをおすすめします。
資産形成は長期にわたる道のりです。ご自身のライフプランと照らし合わせ、どのようなペースで、どの程度の金額を積み立てていくのが現実的かを改めて検討します。手取り20万円からのスタートであれば、無理のない範囲で、まずは少額から始めるという選択肢も十分に考えられます。
また、投資には価格変動リスクが伴います。市場の状況によっては一時的に資産が目減りする可能性もゼロではありません。このような価格変動に対して、どの程度までなら精神的に耐えられるか、ご自身の「リスク許容度」についても冷静に考えてみましょう。堅実な資産形成を目指す上では、ご自身のリスク許容度を超えるような積極的な投資は避けることが重要です。
2. 投資対象の選び方
新NISAのつみたて投資枠では、金融庁が定める基準を満たした投資信託やETF(上場投資信託)に投資できます。数多くの商品がある中で、どのような基準で選べば良いのでしょうか。堅実な長期投資を目指す初心者の方には、主に以下のポイントが参考になります。
- 分散されていること: 一つの資産や地域に集中投資するのではなく、複数の資産(株式、債券など)や地域(日本、先進国、新興国など)に分散投資されている商品を選ぶことで、リスクを低減できます。
- インデックスファンドであること: 特定の指数(インデックス)に連動することを目指すファンドです。例えば、「全世界株式インデックス」や「S&P500(米国を代表する500社の株価指数)」などがあります。一般的に、特定の指数を上回ることを目指すアクティブファンドに比べてコスト(信託報酬)が低い傾向にあり、長期投資の成果に繋がりやすいとされています。
- 信託報酬が低いこと: 投資信託を保有している間にかかる運用管理費用(信託報酬)は、長期で見ると投資成果に大きな影響を与えます。同じような運用方針のファンドであれば、信託報酬が低いものを選ぶのが合理的です。
これらの点を踏まえると、「国内外の株式や債券に幅広く分散投資するインデックスファンド」や、「米国株式全体や全世界株式全体といった特定のインデックスに連動するインデックスファンド」などが、堅実な資産形成を目指す初心者の方にとって有力な選択肢となります。特定の企業やテーマに絞った投資は、より大きなリターンを目指せる可能性がある一方で、リスクも高くなる傾向があるため、注意が必要です。
3. 積立設定の方法
投資対象を選んだら、次に積立設定を行います。新NISAのつみたて投資枠では、毎月や毎日のように定期的に決まった金額を買い付ける「積立投資」が基本となります。
積立投資には、「ドルコスト平均法」という考え方があります。これは、価格が高い時には少ない口数を買い、価格が低い時には多くの口数を買うことになるため、平均購入単価を平準化し、高値掴みのリスクを抑える効果が期待できる手法です。感情に左右されず、淡々と積み立てを続けることが、長期的な資産形成において重要になります。
積立設定では、主に以下の項目を決めます。
- 毎月の積立金額: 手取り収入や生活費などを考慮し、無理なく継続できる金額を設定します。手取り20万円の場合、まずは家計の見直しを行い、月数千円や1万円といった少額から始めてみるのも良いでしょう。慣れてきたら金額を増やすことも可能です。
- 買付頻度: 多くの証券会社では「毎月」や「毎日」から選択できます。どちらを選んでも長期的な成果に大きな違いはないとされていますが、一般的には「毎月」を選ぶ方が多いようです。
- 買付日: 毎月の引き落とし日や買付日を指定します。
これらの設定は、証券会社のウェブサイトや取引ツールから簡単に行うことができます。一度設定すれば、指定した頻度と金額で自動的に買付が行われるため、手間がかかりません。
さいごに
新NISA口座を開設することは、資産形成の素晴らしいスタートラインに立ったことを意味します。次に取るべき具体的な一歩は、この記事で解説したように、ご自身の投資目的とリスク許容度を再確認し、堅実な長期投資に適した投資対象を選び、無理のない範囲で積立設定を行うことです。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは少額からでも良いので、一歩踏み出し、実際に積立投資を始めてみることが大切です。そして、市場の動きに一喜一憂することなく、長期的な視点を持って淡々と積立を継続することが、堅実な資産形成への道につながるでしょう。
もし迷うことがあれば、この記事を参考に、再度ご自身の状況や選択肢について確認してみてください。そして、証券会社のウェブサイトなどで、実際に積立設定の画面を見たり、気になる投資信託の情報を調べてみたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。