手取り20万円から始める資産形成の土台 家計管理の基本ステップ
資産形成の第一歩は家計管理から
資産形成を始めたいと考えているものの、何から着手すれば良いか分からないと感じている方は多いのではないでしょうか。特に手取り収入が限られている場合、投資に回す資金をどのように捻出するのか、そもそも資産形成とは何のために行うのか、といった疑問を持つことは自然です。
堅実な資産形成をスタートさせる上で、最も基本的かつ重要な土台となるのが「家計管理」です。毎月の収入と支出を正確に把握し、管理することで、無理なく貯蓄に回せる金額や、将来の投資資金を計画的に準備することが可能になります。この準備ができていないと、たとえ素晴らしい投資先を見つけたとしても、継続することが難しくなる場合があります。
この記事では、手取り20万円からのスタートを想定し、資産形成に繋がる家計管理の基本的な考え方と具体的なステップについて解説します。
なぜ家計管理が資産形成の土台なのか
家計管理が資産形成の土台と言われるのには理由があります。資産形成は、一般的に収入の一部を将来のために貯蓄や投資に充てることで行われます。そのためには、まず自分の収入に対してどれくらいの支出があるのかを知り、無駄な支出を抑えることが不可欠です。
手取り20万円という収入からでも、適切な家計管理を行えば、着実に貯蓄を増やし、将来的な投資資金を捻出することは十分に可能です。逆に、収入が多くても家計管理ができていなければ、いくらお金があっても全て使ってしまい、資産は増えません。
家計管理を通じて、自分の支出の傾向を把握し、どこを節約できるかを見つけることで、無理なく資産形成に回せる「余剰資金」を生み出すことができます。この余剰資金こそが、貯蓄や投資の原資となるのです。
手取り20万円からの家計管理 基本ステップ
それでは、具体的にどのようなステップで家計管理を進めていけば良いのでしょうか。手取り20万円からのスタートを想定した基本ステップを解説します。
ステップ1: 収入と支出を正確に把握する
まずは、1ヶ月の収入と支出を正確に把握することから始めます。
- 収入: 手取りの月収を確認します。ボーナスがある場合は、年間の手取り総額も把握しておくと、より長期的な計画が立てやすくなります。
- 支出: すべての支出を記録します。固定費(家賃、光熱費、通信費、保険料など)と変動費(食費、交際費、趣味、日用品など)に分けて記録すると、支出の傾向が見えやすくなります。家計簿アプリやスプレッドシートなどを活用すると便利です。クレジットカードや電子マネーの利用履歴も参照しましょう。
このステップの目的は、自分が毎月何にお金を使っているのかを「見える化」することです。数ヶ月間記録を続けることで、平均的な支出額や、自分が思ってもみなかった支出の項目が見えてくることがあります。
ステップ2: 支出を分類し、無駄を見つける
収入と支出の記録ができたら、次に支出を分類し、分析します。
- 食費、水道光熱費、通信費、家賃、保険料、交際費、趣味・娯楽費、交通費など、細かく分類してみましょう。
- 分類した支出の中で、「これは本当に必要だったか」「もっと抑えられるのではないか」と感じる項目がないか検討します。特に変動費には、節約の余地がある場合が多くあります。
サブスクリプションサービスで利用していないものはないか、外食やコンビニでの買い物が多すぎないか、などを確認することで、無駄な支出を見つけ出すことができます。
ステップ3: 予算を立て、貯蓄目標を設定する
支出の傾向と無駄が把握できたら、次に毎月の予算を立てます。
- 収入から、生活に最低限必要な固定費と、目標とする貯蓄額を差し引いた金額を、変動費の予算として設定します。
- 食費〇〇円、交際費〇〇円のように、項目ごとに具体的な予算額を決めると、管理しやすくなります。
- 手取り20万円の場合、まずは手取り収入の10%~20%を貯蓄に回すことを目標にするのが現実的かもしれません。月2万円~4万円を貯蓄できれば、年間24万円~48万円を貯めることができます。この金額は、将来の投資の種銭となります。
予算を設定することで、漠然とお金を使うのではなく、「今月はこの項目にいくらまで使える」という明確な基準ができます。
ステップ4: 予算内で生活し、定期的に見直す
立てた予算内で生活することを意識します。そして、月に一度は家計簿を見直し、予算通りに管理できたか、改善点はないかを確認します。
- 予算を超えてしまった項目があれば、原因を分析し、翌月以降の対策を考えます。
- 予算内で生活でき、目標貯蓄額を達成できていれば、モチベーション維持に繋がります。
- 収入やライフスタイルに変化があった際は、定期的に予算や貯蓄目標を見直すことが重要です。
このステップを継続することで、お金を管理する習慣が身につき、計画的に資産形成を進める力が養われます。
貯蓄を増やすためのヒント
手取り20万円からでも貯蓄を増やすために有効なヒントをいくつかご紹介します。
- 先取り貯蓄: 給料が入ったら、生活費に使う前に貯蓄分を別の口座に移してしまう方法です。「残ったお金を貯蓄する」のではなく、「先に貯蓄して残ったお金で生活する」という意識を持つことで、確実にお金が貯まります。会社の財形貯蓄制度や、銀行の自動積立定期預金などを活用すると手間がかかりません。
- 固定費の削減: 一度見直せば継続的な効果がある固定費の削減は非常に有効です。スマートフォンの料金プランの見直し、利用していないサブスクリプションサービスの解約、保険料の見直しなどを検討しましょう。
- 変動費の意識: 食費や外食費、趣味・娯楽費などの変動費は、意識一つで大きく変わることがあります。週ごとの食費予算を決める、不必要な衝動買いを避ける、無料または低価格で楽しめる趣味を見つけるなどが効果的です。
これらの方法を全て一度に行う必要はありません。まずは取り組みやすいことから始めて、徐々に家計管理の習慣を身につけていくことが成功の鍵となります。
まとめ: 家計管理は資産形成の第一歩
手取り20万円から堅実な資産形成を始めるためには、まず足元の家計管理をしっかり行うことが不可欠です。収入と支出を把握し、無駄を見つけ、予算を立てて管理するという一連のステップを通じて、資産形成の原資となる資金を着実に準備することができます。
家計管理は地味な作業に思えるかもしれませんが、将来の経済的な安心を得るための強固な土台となります。ここで解説した基本ステップを参考に、ぜひ今日からご自身の家計と向き合ってみてください。家計管理が習慣になれば、貯蓄が増えるだけでなく、お金に対する不安が減り、より計画的に将来を考えることができるようになるでしょう。
次に、貯蓄できた資金をどのように増やしていくか、具体的な投資方法について学んでいく準備が整います。