手取り20万円から始めるインデックス投資 初心者におすすめのファンド種類
インデックス投資で資産形成を始める第一歩
資産形成を始めたいけれど、数多くある投資信託の中からどれを選べば良いか分からない、と感じる方は多いかもしれません。特に手取り20万円といった収入から無理なく始めたい場合、最初の選択は重要です。堅実な資産形成を目指す上で、インデックス投資は多くの初心者にとって有効な選択肢の一つとなります。
インデックス投資とは、特定の株価指数(インデックス)に連動するように運用される投資手法です。例えば、日本の主要企業225社の株価を平均した「日経平均株価」や、米国の代表的な500社に投資する「S&P500」、世界各国の大型・中型株に投資する「MSCI全世界株価指数」など、様々なインデックスがあります。これらのインデックスに連動することを目指す投資信託が「インデックスファンド」です。
なぜインデックスファンドが初心者におすすめなのか
インデックスファンドが資産形成の入門に向いている主な理由は以下の通りです。
- 分かりやすさ: 運用目標がインデックスに連動することと明確です。特定の市場や経済全体の動きに連動するため、投資対象が理解しやすいと言えます。
- コストの低さ: 特定のインデックスに沿って機械的に運用されるため、人件費などの運用コスト(信託報酬)が比較的低く抑えられています。長期投資において、コストは運用成績に大きな影響を与えるため、低コストであることは重要なメリットです。
- 分散投資: インデックスは通常、多数の銘柄で構成されています。インデックスファンドに投資することで、自動的に多くの企業や地域に分散投資が行われ、特定の銘柄に集中するリスクを抑えることができます。
手取り20万円からでも、毎月数千円や1万円といった少額から積立投資を始めることができるため、インデックスファンドは無理なく継続しやすい投資対象と言えるでしょう。
入門者が検討したいインデックスファンドの種類
インデックスファンドには様々な種類がありますが、特に入門者が最初の一歩として検討することが多い代表的なインデックスを対象としたファンドをいくつかご紹介します。
1. 全世界株式インデックスファンド(MSCI ACWIなど)
このタイプのファンドは、日本を含む先進国および新興国の大型・中型株市場全体をカバーするインデックス(代表的なものにMSCI ACWIやFTSE Global All Capなどがあります)に連動することを目指します。
- 特徴: 世界中の株式市場に幅広く分散投資できる点が最大の特徴です。特定の国や地域に依存せず、世界経済全体の成長を取り込むことが期待できます。
- メリット: 極めて高い分散効果が得られます。どこかの国や地域の経済が低迷しても、他の地域の成長が補う可能性があります。
- デメリット: 新興国も含むため、先進国のみのインデックスに比べると値動きが大きくなる傾向があります。また、円高が進むと基準価額が下がる可能性があります。
- 考慮点: 「これ一つで世界分散投資が完了する」という考え方もでき、シンプルに始めたい方にとって魅力的な選択肢です。
2. 全米株式インデックスファンド(S&P500やCRSP US Total Marketなど)
米国の主要企業500社(S&P500)や、ほぼ全ての米国の公開企業(CRSP US Total Market)を対象としたインデックスに連動することを目指します。
- 特徴: 長期にわたり高い成長を続けてきた米国経済、特にその中心を担う大手優良企業に集中して投資します。
- メリット: 過去のパフォーマンスが良好であり、今後も世界経済を牽引する米国企業への投資に期待が持てます。全世界株式より地域が限定される分、値動きの要因が比較的シンプルです。
- デメリット: 米国経済や米国市場の動向にパフォーマンスが大きく左右されます。地域分散の観点では全世界株式に劣ります。円高の影響も受けます。
- 考慮点: 米国経済の成長力に期待する方、米国の主要企業に馴染みがある方にとって、検討しやすい選択肢です。
3. 先進国株式インデックスファンド(MSCI Kokusaiなど)
日本を除く先進国(米国、欧州、オセアニアなど)の大型・中型株を対象としたインデックス(代表的なものにMSCI Kokusaiがあります)に連動することを目指します。
- 特徴: 世界経済の中心を担う先進国企業に幅広く投資します。
- メリット: 新興国特有のリスクを避けつつ、高い分散効果が得られます。
- デメリット: 日本経済の成長は対象外となります。円高の影響を受けます。
- 考慮点: 新興国投資に慎重な姿勢を取りたいが、日本以外の先進国には幅広く投資したい場合に検討できます。
どのファンドを選べば良いか
これらの代表的なインデックスファンドの中からどれを選ぶか、明確な「正解」はありません。ご自身の資産形成の目的、リスクに対する考え方、そして何よりも「長期で無理なく続けられそうか」という視点で検討することが重要です。
手取り20万円から始める場合、まず優先すべきは「継続すること」です。そのためには、自分が納得できる、あるいは心理的に受け入れやすいインデックスを選ぶことが大切になります。
- 徹底的な分散で安心感を得たい: 全世界株式インデックスファンド
- 米国経済の成長力に期待したい: 全米株式インデックスファンド
- 先進国に絞って手広く投資したい: 先進国株式インデックスファンド
過去の運用実績はあくまで過去のものであり、将来の成績を保証するものではありません。しかし、それぞれのインデックスがどのような市場を対象としているのか、どのような値動きをする傾向があるのかを知る上で参考になります。
まずは少額から始めてみる
どのインデックスファンドを選ぶか決めたら、まずは無理のない少額から積立投資を始めてみましょう。多くの証券会社では、月100円や1,000円といった少額から積立設定が可能です。特にNISA制度を活用すれば、一定の投資枠内で得られた運用益に税金がかからないため、効率的な資産形成が期待できます。
具体的な積立金額は、手取り20万円の場合、生活防衛資金を確保した上で、毎月5,000円、1万円、1万5,000円など、無理なく捻出できる範囲で設定することが堅実です。一度設定してしまえば、あとは自動的に買付が行われるため、日々の価格変動に一喜一憂することなく、本業に集中できます。
まとめ
手取り20万円から堅実な資産形成を始めるにあたり、インデックス投資は多くの初心者にとって有力な選択肢です。特に全世界株式や全米株式、先進国株式といった代表的なインデックスを対象としたファンドは、分散効果が高く、低コストで分かりやすいため、最初の一歩として検討する価値があります。
どのファンドを選ぶかは、ご自身の考え方次第です。それぞれの特徴を理解し、自分が長期で安心して続けられると思えるものを見つけてみてください。そして、まずは無理のない金額から積立投資を始めてみることが、資産形成を着実に進めるための第一歩となります。